「チンピラ」って言葉がありますよね。
いわゆる「その筋」の人とまでは行かないけども悪さをしている小物、そんな意味をイメージする言葉です。
この何とも言えない小物感を醸し出すのは「チンピラ」という言葉の語感なのでしょうか。
しかし「チンピラってそもそも何なのか?」ってふと疑問に思ったのです。
火のないところに煙は立たないと言いますし、こんな言葉でも何か語源や由来があって「チンピラ」という言葉になったに違いありません。
ということで「チンピラ」の意味・由来・語源を調べてお話していきたいと思います。
チンピラの由来・語源
チンピラがどういう由来や語源を持って生まれた言葉なのかというと、これにはいくつかの説があるようです。
①大阪の方言「ちんぺら」
大阪の方言で子供を嘲って言う言葉「ちんぺら」が転じたのが由来になっているという説です。
「ちんぺら」という言葉の存在は知らなかったのでそれはともかくとして、もしここから転じたとしても単に「子供」を意味する言葉としての域を出ないような気がします。
つまり、ただ子供を意味する言葉から冒頭で話したような「悪さをする人物」を指す言葉になった経緯があまり見えてこない説です。
②中国の前漢時代の策士「陳平」
前漢時代の中国に「陳平」という策士がいて、その陳平は品行が悪かったことから陳平のように素行が悪くて胡散臭い人物のことを「陳平」と言い、そのまま「チンピラ」へと転じていったという説です。
「陳平」の存在を知らなかったことはともかく、確かに読み方もそのまま「チンピラ」と読むことから多少は納得できる由来ではあります。
しかし
・なぜ突然中国が出てきたのか?
・なぜそんな昔の言葉が今も使われているのか?
・そもそも陳平って誰なんだ?
という数々の疑問に対しての明確な答えがありません。
そもそもこういう話って「そういう名前の人が昔いた」って言われると、それが作り話だとしてもそれ以上の追求ができないんですよね。
だからこそこの由来の胡散臭さを感じているところでもあります。
③チンケなヒラ
個人的にはこの由来が一番しっくり来るのですが、最低の意味を示す「チンケ」と下っ端を意味する「ヒラ」を合わせて「チンピラ」としたという説です。
それほど頻度は多くないものの、現代でも「チンケ」も「ヒラ」も普通に使いますから納得ですよね。
ちなみに「チンケ」というのはサイコロ博打で一の目(つまり最低の目)を意味する「チン」を形容詞っぽくしたのが語源になっています。
チンピラの意味とは
チンピラの意味は、今お話したそもそもの由来・語源を考えるとなんとなくわかります。
つまり下っ端で地位が低いヤクザだとか、大物ぶって素行不良な振る舞いをする少年少女のことを意味します。
また、かつて大正・昭和時期の隠語辞典に「子供のスリ」を意味する言葉として乗っていたこともあるようです。
ここから考えると「大阪の方言説」が正しいようにも思えてきますね。
そうそう、チンピラと似たような言葉に「ヤクザ」というものがありますね。
漫画などのフィクションではよく「あれはただのチンピラじゃねえ、本物のヤクザだ!」なんて台詞があったりしてチンピラとヤクザは明確に意味を分けて使われていますよね。
ただチンピラ自体が「下っ端のヤクザ」という意味も含んでいるので、本来の意味からすれば「チンピラじゃない、ヤクザだ」というのは矛盾してきます。
心意気の広さとか、度量、地位の違いというような意味でチンピラとヤクザを使い分けているとすれば特におかしくはないですね。