そこはかとなく・そこはかとないの意味とは?漢字は?

「そこはかとない」「そこはかとなく」という言葉がありますね。

なんとな~く、ニュアンスで、雰囲気でといったイメージの言葉で、この言葉自体の意味もなんだかはっきりしませんが、そういった曖昧さを多分に含む日本語にふさわしい表現と言えるでしょう。

ただ、「そこはかとない」「そこはかとなく」自体の意味についてはもうちょっとはっきりさせておきたいところですよね。そうでなければ「そこはかとない」「そこはかとなく」の使い方もわからなくなってしまいます。

ということでこちらでは「そこはかとない」「そこはかとなく」の意味や由来、漢字で書くとどうなるか、などについて調べてみました。

そこはかとない・そこはかとなくの意味や漢字は?

そこはかとない・そこはかとなくを漢字で書くと 其処は彼と無い(く) と言う風になります。

つまり「其処は彼と」の否定形ということになりますので「其処は彼と」の意味がはっきりすればそこはかとない・そこはかとなくの意味も自ずと分かります。

其処は彼と というのは意味としてははっきりと、とか明確に、と言う風になります。

其処はというのはこそあど言葉の「そこ」であり、分解するとこれは「その場所、その部分(其処)はこうであると(彼と)明示して」という成り立ちになります。

もう少しわかりやすく噛み砕いて言うなら、その理由についてはこうだと断言できる、はっきりした様を表しているんですね。

そこはかとないは「其処は彼と」、理由があって断言できる様を否定する言葉になりますので、意味としては「理由はないけれども何となく感じられる様」を表します。

口語では「なんとなく」という言葉に近いので、なんとなくと同じような感じで使われることも多いですね。

「そこはかとなく甘みが感じられる」
「そこはかとないおしゃれな雰囲気がある」

といった具合に、使う本人の主観が入るために様々な使い方をされます。

人の主観というものは「その人がそう感じた事」が唯一の正解ですから、ある意味それらはすべて正しいといえます。ただ使い方が様々でぼやけてしまうために、その本来の意味もいまいち落とし込めていないという人が多い言葉なのでしょうね。

まあ、この由来を知ることでそこはかとなくではなく「はっきりと」意味を知ることができれば幸いです。

ちなみに、「其処は彼と」の由来からすれば、この場合の「は」は「wa」と発音するのが正しいように思えますが、「そこはかとない」「そこはかとなく」の「は」は「ha」と読みます。

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コメント

  1. 珍説野郎 より:

    どうも、この150年間流布している、御説は、穏当ではないように思います。本来は、「そはかこはかとなく」とでも口にすべきところ、くどいので「そこはかとなく」と言われていたものではないでしょうか。つまり、「其は彼、此は彼、と無く」「其、此は彼、と無く」でどうでしょうか。この考えに基づく本来の意味?を現代文で記すと、「それはこれ、これはこれと、分類整理する、あるいは分類整理されることなく、または、分類整理できずに」という意味だったのではないかと思うのです。こう解釈すると、「こころにうつりゆくよしなし事をそこはかとなくかきつくればあやしうこそものぐるほしけれ」が、定説よりずっとわかりやすくなるのですが。大辞林の用例に「 - ・き物語しのびやかにして/堤中納言 このついで」や「潮の満ちけるが,-・き藻屑どものゆられよりける中に/平家 2」とあるそうですが、上記珍解釈でも不自然とは思えない解釈ができそうです。