頭が透けている深海魚「デメニギス」について詳しく紹介します。
デメニギスとは
※深海魚デメニギス (Macropinna microstoma)
デメニギスとは、ニギス目デメニギス科に属する魚類の一種。望遠鏡のように筒状に突き出した両眼が特徴の深海魚である。全長約11cm~15cm。
太平洋北部の亜寒帯海域に分布し、水深400-800mを主な生息域とする。
アメリカのモントレー湾水族館研究所(MBARI)が2004年に撮影。
2009年2月23日に公開され、話題となった。
それまでは時々水揚げされるものの、傷つきやすいため、その全容はよくわかっていなかった。
※水揚げされたデメニギス
一見、眼のようにみえるのは実は鼻
緑色の球状部分が円筒形の高感度の眼。一見、眼のようにみえているのは、鼻に相当する器官。
内部はゼリー状の透明な物質で満たされ、眼を衝撃から護っている。
眼はぐりぐりと双眼鏡のように動いて、暗闇の中のわずかな光を感知する。
深海では数少ない獲物を見つけるために、このような仕組みになったと推測されている。
※頭部は透明。眼は緑色。体の部分は黒みがかっている。
日本近海では岩手県以北の沖合に分布する。
※岩手県で捕獲されたもの
漢字で書くと「出目似鱚」(でめにぎす)
漢字で書くと「出目似鱚」または「出目似義須」。
鱚(キス)に似ている「似鱚」(ニギス)の仲間で、眼が出ていること(出目)に由来。
英名は「Barreleye」。「樽の眼」という意味。
餌はクラゲと推測される
2004年に捕獲されたデメニギスの胃からは、クラゲの断片が検出された。
深海を漂う小さなクラゲなどを飲み込んでおり、消化器官も飲み込むのに適している内臓構成をしているとのこと。
デメニギスを食べられるのかは不明
ニギスは食べられるが、デメニギスを食べられるかは不明。