最近ではスマートフォンのゲームアプリ「ポケモンGO」が話題になりましたね。
単に流行り物だからという物珍しさもあるのでしょうが、かつてポケモンに熱中した懐かしさも相まってつい手を出してしまったという人も多いんじゃないでしょうか。
私自身もその口で、特に初代ポケモンの赤緑世代ドンピシャでした。「ポケモン言えるかな?」という当時の全種類151種類を羅列した歌がありましたがソラで歌えるほどでした。今でも8割くらいは歌えますね。
なので、最近の新しいポケモンにはついていけなくなっても、ポケモンGOはやってみようと手を出してみたんですね。今はもう飽きちゃいましたけど・・・
でもやっぱり、初代ポケモンは良いですね。何が良いって、その「ゆるさ」です。特に名前のゆるさはいい感じ。ポケモンの名前って最新版でも適当だな~ってのは結構ありますが、初代は特に適当だと思います。任天堂もまさかここまで売れるとは思っていなかったであろうことがよく伺えます。
さて、こちらではそんないい感じの適当さがある初代ポケモンの名前の由来についてお伝えしていきたいと思います。
フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ
いわゆる御三家です。この3匹なくしてポケモンは語れないでしょう。初代ポケモンは男の子のほうがプレイしている割合は多かったので、やはりヒトカゲが一番人気だったように思えます。
赤と緑で赤版のほうが人気だったのもパッケージにあるヒトカゲの最終進化形であるリザードンがかっこよかったからに他ならないですね。
フシギダネは フシギダネ→フシギソウ→フシギバナ と進化していきますが、これはそのまんまで不思議+種、草、花というわけですね。これがポケモン図鑑のNo.1~No.3を占めるわけです。もしかしたら「進化」という成長システムは、新しくポケモンを考える必要がないからという横着さから来ているんじゃないかと疑いたくなるほどです。
ヒトカゲは ヒトカゲ→リザード→リザードン と進化していきますが、ヒトカゲは火+トカゲとそのまんま。リザードはトカゲを英語で言ったものがリザードでこれもそのまんまで、リザードンはリザードとドン(首領)を合わせたものになっています。当時小学生の私は、「リザードンはなぜドラゴンタイプじゃないんだろう」と不思議に思っていたものですが、名前がもうトカゲであることを表していたので当然ですね。
ゼニガメは ゼニガメ→カメール→カメックス と進化していきますが、ゼニガメというのは本当にそのまんまで、クサガメもしくはニホンイシガメの幼体のことを「銭亀」と呼ぶところが由来です。カメールは亀+テール(尻尾)で、カメックスは亀+MAXから来ています。
コラッタ、ポッポ
ご存じ、最初に戦う雑魚ポケモン2匹。
コラッタは進化するとラッタになりますが、ラッタは「ラット」から来ており、そのラッタの小さい版ということで小+ラッタでコラッタ。ポッポは鳩ぽっぽから来ています。進化したピジョンはそのまんま鳩です。ピジョットはピジョン+ジェットから来ています。
このように、ポケモンの名前の由来というのは基本、「そのまんま」というのが多いです。ポケモンプレイヤーが最初に目にするであろうポケモンの由来がいきなりこうですからね。安直といえばそれまでかもしれませんが、このストレートさが老若男女に受け入れやすい適度なゆるさになっているのかもしれませんね。
ピカチュウなんてほんとに「ピカッ」と「チュウ」を合わせただけの単純なものですが、今やポケモンを象徴するほどの人気を博していますからね。
ということで、ここからは「そのまんま」ではなく、少し考えないとわからないポケモンの名前の由来をお伝えします。
ユンゲラー
当時小学生の私にはこれはよくわかりませんでしたが、スプーン曲げで有名な超能力者ユリ・ゲラーが由来です。これはそのまんまといえばそのまんまなのですが、面白い逸話があります。
名前からしてもユリ・ゲラーを元にしているのは明白で、これは当然ユリ・ゲラー側も黙ってはおらず2000年に任天堂に対して肖像権の侵害をしたとして約101億円の損害賠償を求めました。曲げたスプーンを持っている姿も明らかにそうですからね。この裁判は任天堂に分が悪いものがありました。
しかし、最終的にはなんとユリ・ゲラーが訴訟を取り下げるという結果に終わりました。これは任天堂側の弁護士がすごかったのです。ユリ・ゲラー側は「ユンゲラーは超能力を使える自分の権利を侵害している」という主張をしていたのですが、それに対して
「もしあなたとユンゲラーが同じだというのならば、この場でユンゲラーと同じように超能力を使ってみてください」
と言い放ったのです。これにはユリ・ゲラーも黙るしかありませんでした。
まあ、今ではポケモンも全世界で知られるほどの存在ですから、ポケモンが売れるたびにあやかれるという意味では悪くないんじゃないでしょうか。「ポケモンのユンゲラーの元になったユリ・ゲラーです」という自己紹介だけでもつかみはばっちりですね。
ちなみにユンゲラーの進化前のケーシィはアメリカの預言者エドガー・ケイシーが由来に、進化後のフーディンはアメリカのマジシャンであるハリー・フーディーニが由来になっています。
このように、実在の人物をモデルにしたポケモンも結構います。これは元ネタを知らないとよくわからないですね。
サワムラー、エビワラー
当時小学生の私でも、「名前みたいなポケモンだな~」と思っていたものですが、やはりそうでした。
サワムラーはキックポケモン、エビワラーはパンチポケモンとして知られていますが、サワムラーの由来は伝説のキックボクサー沢村忠から、エビワラーの由来はボクシング元世界フライ級王者・海老原博幸から来ています。
カビゴン
これも実在の人物がモデルだったりします。
これまで紹介したものは国内外の有名人がモデルでしたが、カビゴンは急にスケールの小さい内輪話になります。「開発スタッフの西野弘二さんという方のあだ名」なんだそうです。
確かにこれはカビゴンに似ていますね。しかしこんなものの由来はプレイヤーがわかるはずもありませんね。
あるいは御三家のところで紹介したリザードのように、英語の知識が試されるポケモンというのも多数存在します。ということで、ここからは英語のLessonになります。Are you ready?
キャタピー、ビードル
キャタピー→Caterpillar(芋虫) トランセル→Transform(変形・変態) バタフリー→Butterfly(蝶)
ビードル→Bee(ハチ) +Needle(針) コクーン→Cocoon(まゆ) スピアー→Spear(ヤリ)
小学生の当時はわからなかったものでも、今ではわかるものが多いですね。トランセルなんて、まさかこんなかっこいい言葉が由来になっているとは知りませんでした。
パラス
パラス→Parasite(寄生) パラセクト→Parasite(寄生)+insect(昆虫)
パラスというと、背中にキノコを携えたカニのようなポケモンですね。何が寄生なのかというと、実はこのパラスというポケモンは上のキノコに下の虫が寄生されているというポケモンなのです。パラセクトに進化すると、大きくなったのは上のキノコのほうで、下の虫は変わらないどころか寄生が進んで目がなくなってしまっています。
最終的にパラセクトはキノコに乗っ取られて死んでしまうという怖い話もありますね。
イーブイ
ご存じ、多様な進化をすることで有名なイーブイです。
初代であればブースター、シャワーズ、サンダースの3種類ですがその後ポケモンの新作が増えるにつれてエーフィ、ブラッキー、リーフィア、グレイシア、ニンフィア・・・とイーブイの進化形も増え続けています。おそらく今後も増えていくことでしょう。
そんな進化の起点となるイーブイの由来になったのはevolution(進化)という単語。この単語の頭文字を二つとってev→イーブイというわけなんですね。
これは大人になってからなるほどな、と思わせてくれますね。
ミュウツー
ご存じ、初代ポケモンの中で最強最悪のポケモンですね。
これは割と有名かもしれませんが、最後にはふさわしいかと思います。Mutant(突然変異体)が語源になっており、ここからミュウ、ミュウから作り出されたミュウツー(Mutant+two)というわけです。