何かを了承する時に使う言葉として「OK」というものがあります。
一体何が由来になってこの「OK」という言葉が生まれたのでしょう。少なくとも、日本語が由来ではないことくらいしかわかりませんね。何しろ、この「OK」という言葉は日本以外の世界中でも使用されているほどで、それは単に英語圏のみならずメキシコやブラジルなどでも使われています。
ということで、気になったので「OK」の由来や語源を探っていくことにしました。
OKの意味・由来・語源とは
「OK」の由来について調べたところ、由来については諸説あるようで説明がまちまちでした。
その中でも有力なのが
①All Correct の綴りがくだけてOll Correctとなった説
②アメリカ合衆国第8代大統領マーティン・ヴァン・ビューレンの愛称「Old Kinderhook」を由来とする説
の二つです。そしてどうやら、どちらの説も正しいということが結論として言えそうです。
歴史上、初めて「OK」が使われたという最も古い文献での記録は1839年のボストンの新聞です。ここで、「All Correct」を表す言葉として当時の記者が綴りを変えて「Oll Korrect」と表現したのです。
この辺りは英語を習った人ならよく気持ちがわかると思います。「all」はオールって読むのに何で「o」じゃなくて「a」から始まるのか?って一度は思いましたよね。
もしかしたら、この記者が新聞で使用する前から、例えば「社内でOll Korrectと使うのが流行っていた」みたいな裏事情があるのかもしれません。
実際、当時というのは「KG(Know Go=No Go)」「OW(Oll Write=All Right)」という具合に、頭文字を別の読みができる単語に置き換えた略語が流行しておりました。そんな中で「OK」が生まれたわけですね。科学の新発見とかにも通じる話なのですが、全くの無から有は生まれないということを示しているエピソードだと思います。
そしてやはり、社内で「OK」を使うのが流行っていたという説にも真実味が増してきます。何しろ憶測なので何とも言えませんが、少なくとも文献に残っている最古のものはこの1839年の新聞だったわけです。
しかし不思議なのは、ここまで広まっている言葉は現在では「OK」くらいしかないということです。そして何よりも、ボストンの新聞で使われたからといってここまで広まる理由としてはちょっと遠い気がしますよね。
さらなるきっかけは翌年の1840年に訪れました。このとき、合衆国大統領選挙に立候補したマーティン・ヴァン・ビューレン第8代大統領は出身がニューヨークのキンダーフックであったことから支持者たちに「Old Kinderhook」という愛称で呼ばれていたのですが、これを「OK」とかけて使いだしたのです。
何しろ「All Correct」は「すべて正しい」という意味ですからね。支持者にとってのスローガンとしてはうってつけだったのでしょう。
さらには、対立候補者であるウィリアム・ハリソンの支持者が「OK」の語源を「Out Of Kash(一文無し)」「Oufully Konfused(ひどい混乱)」「Ouful Katastrophe(ひどい災害)」であると指摘したりと、選挙戦の対立煽りに使われたことでその認知度を大きく上げていき、20年間で合衆国全土に広まるまでになりました。
おそらく1848年にはジャマイカに到達し、1860年には英語の元祖であるイギリスにも逆輸入される形で「Okay」という単語が使われ始めます。20世紀になると、紙面だけでなく口語として使われるまでに至りました。
ここまで広まったのは、「電信」の登場もあると思われます。信号が届いた際にはメッセージが確かに届いたことを伝えるために、逆に何らかのメッセージを送る必要があったのですが、たった二文字でその意を伝えることができる「OK」はとても使い勝手がよかったのでしょう。
つまり、どちらも「OK」が生まれ、広がっていったきっかけになったというのは代わりがなく、それが前か後かというだけの違いです。
つまり、0から1になったというエピソードが「Oll Correct」説で,1から10になったのが「Old Kinderhook」説です。
物事の由来というのは必ずしも一番最初のものではなく、「商業的に成功したもの」が世に語り継がれていることが多いです。それは、そっちのほうがエピソードとして面白味があるからですね。
例えば、日本のインスタントラーメンの元祖は「日清のチキンラーメン」であると思われている説なんかは正にそうです。実際にはそれより前にインスタントラーメンは存在していましたが、商業的にヒットしたのがチキンラーメンなのでそう思われている説が広まっているのです。