情けは人の為ならずの本当の意味とは?実は続きがあった!全文

「情けは人の為ならず」という言葉がありますよね。

そのままの意味で解釈するなら「情けをかけても人の為にはならないから、やめておこう」ということになります。

しかしこれも極端な話で、じゃあ義援金の寄付とかも「人の為にはならないからやめましょう」ってことになっちゃいます。

おそらく、多くの人がこの意味で誤解しているかと思いますから、こちらでは「情けは人の為ならず」の本当の意味についてお話していきたいと思います。

「情けは人の為ならず」の由来と全文

まずは、「情けは人の為ならず」の由来についてお話しましょう。

つまりこれは誰が言い出した言葉なのかというと、かつて5000円札の肖像にもなった新渡戸稲造博士です。

新渡戸稲造博士の自作の唄に

「ほどこせし 情けは人の為ならず 己がこころの 慰めと知れ」
「我ひとに かけし恵みは忘れども ひとの恩をば ながく忘るな」

というものがあります。これが「情けは人の為ならず」の全文ですね。

「情けは人の為ならず」の本当の意味は

情けをかけても人のためにはならないのだから、厳しくしよう

というのは、全文を見ないでそのまま字面だけで意味を解釈した誤りです(NHK教育テレビでもこの誤った意味で使われていたそうです)。

しかし、現在使われている「情けは人の為ならず」の本当の意味というのは

情けをかけると回り回って自分の為になるのだから、積極的に人に情けをかけましょう

というものになります。

人間というのは何か良いことをされると「返報性の原理」というものが働いて、それに対してお返しをしなければならない、という風に考えます。

例えば無料試供品というのはその典型です。

化粧品メーカーがサンプルとして配布しているものを使うと、「無料で使わせてもらってなんだか悪いなあ~」って気になりませんか?そして、「無料でもらったから商品を買わないと悪いな~」とも思いませんか?

これぞ正に「情けは人の為ならず」を利用したビジネスと言えるでしょう。もっと身近な例で言えばスーパーの試食品なんかもそうです。

スーパーの店員さんと実際に対面しているだけあって、無料の試食品をもらうとなんだか悪いなと思って買いたくなるでしょう。

実は「情けは人の為ならず」というのは、人間の心理を利用した交渉術だったのです!奥が深いですね。

まあ、これはその場で直接見返りを得るというものなので、回り回って自分のためになるという「情けは人の為ならず」の本来の意味とは少し違うかもしれませんが・・・

もう少し分かりやすい実例で言えばこういうこと。

誰かにプレゼントをあげる

→ プレゼントを貰った人が自分の評判を上げてくれる

→ その評判を聞いた異性が自分への好意を高める

→ その異性から自分にアプローチがある

まあ、こんなに簡単に行くとは思いませんがこういうことでしょう。見返りを期待するんじゃなくて、思いもよらぬところから良いことがあるよ、というのが「情けは人の為ならず」の本当のいみです。

ただ、遅かれ早かれ自分への見返りを期待しているという点では何ら変わりませんね。

本当の本当の意味は・・・

冒頭の新渡戸稲造博士の言った「情けは人の為ならず」の全文をもう一度見てみましょう。

「ほどこせし 情けは人の為ならず 己がこころの 慰めと知れ」
「我ひとに かけし恵みは忘れども ひとの恩をば ながく忘るな」

情けをかけるということは人のためではなく、ただ自分が満足できれば良い。

他人にかけた情けは忘れても、自分がかけられた情けは決して忘れるな

という意味になりますね。

つまり「情けは人の為ならず」の本当の本当の意味というのは情けに対して見返りを求めてはいないのです。

時代とともに実利的な側面をクローズアップして、「回り回って自分のためになるのだ」と解釈していったということでしょうね。

確かに情けをかけることでの恩恵もありますから間違いではありませんが、「本当の意味」を考えるとこちらのほうが人道的にも正しいように思えます。

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