毎月、月が変わると旧暦での月の言い方というものをどこかしらで耳にすることでしょう。
12月が「師走」というのが一番有名でしょうが、それ以外は何月がどの名前だったのか、うろ覚えという人も多いのではないでしょうか?
そんな旧暦は一月の「睦月」から始まり、如月、弥生、卯月、皐月・・・と続きます。競馬で「弥生賞」とか「皐月賞」とかあるのでこのあたりはなんとなく、春頃を指すのだろうということはお分かりだと思いますが、「睦月」については聞かないとわからないレベルですよね。
何しろ、この旧暦の呼称というやつは一年に一度の特定の期間しか聞かないので、忘れてしまったらまた一年後になります。そのたびに「なんていう名前だっけ?」と調べているのではちょっと恥ずかしいですよね。
この名前を覚えるためには、その意味や由来などを知ることが一番です。「なぜそうなったか?」ということまで含めて理解を深めればなぜ一月を睦月というのか、忘れることはないでしょう。
ということで、旧暦の一月「睦月」の意味や由来について調べてみました。
睦月の意味や由来とは
「睦」という漢字は、普段はあまり目にすることがないと思いますが主な使い方として「仲睦まじい」などの表現に使われている言葉です。
「睦まじい」というのは、元々は「睦ぶ」という「親しくなる、仲良くなる」という意味の動詞が形容詞化することで出来た言葉で、意味は皆さんもご存知だと思いますが「親しい、仲が良い」という風になります。
つまり、「睦月」というのは「睦ぶ月」ということになります。皆が仲良くする月が睦月なのです。
現代でもそうですが、旧暦においても一月つまり正月というのは知人や親類などが一同に会し、老いも若きも互いに往来し拝賀し、親族一同が新年の良き日を祝うという睦び月だったのです。
まあ実際には仲睦まじくするのなんてどうでもいいし、親類との付き合いなんて面倒くさいということも多いですが、額面の上では一応そういうことになっているのです。
まあ、旧暦と新暦においては一カ月ほどずれがありますので、現在で言う2月が昔の正月にあたります。その名残が「節分」や「立春」です。立春は一年の始まりです。なぜ2月の一番寒い時期なのに春なのか?という疑問の答えはそこにあります。
「睦月」の由来となる説については、このほかにも
・一年の最初の元になる月だから「元つ月(もとつつき)」
・草木の芽が萌ゆる月だから「萌ゆ月(もゆつき)」
・稲の実を水に浸す月だから「実月(むつき)」
・「生む月(うむつき)」
から転じて「むつき」となったということが言われておりますが、なぜ「睦」という漢字を使ったのかということの説明が不十分なことから、やはり「睦び月」が由来になっているというのが最も有力な説のようです。