犬が路上に落ちていたソーセージを食べて死亡し、そのソーセージに「メソミル」という劇物が含まれていたこと分かったというニュースが入ってきました。
このニュースを聞いて思ったのは、飼い主は犬が路上に落ちているものを食べる時に見ていなかったのだろうか?ということです。
こうやってニュースになっているということは、飼い主は犬が道端に落ちているソーセージを食べているところを目撃したということですよね。普段から、道端に落ちているものを食べても放っておくような飼い方をしていたのでしょうか?
それはともかく、「メソミル」という物質は一体どんな毒物なのでしょうか?その辺によく落ちているものなのでしょうか?
メソミルとは、アメリカのデュポン社が開発したカーバメート系の殺虫剤で、日本では「ランネート」として1970年に登録されて以来使用されている劇物で、極めて即効性の高いとされている農薬です。
効果がすぐ効くということはそれだけ毒性が強いということでもありますよね。事実、医薬用外劇物指定の農薬で、購入時に印鑑や記名が必要など厳しい制限が設けられております。
このメソミルを摂取すると、「コリンエステラーゼ阻害」による強い毒性を示します。コリンエステラーゼってなんぞや?ということでもう少し調べてみると、コリンエステル類を加水分解する酵素なんだそうです。うーん、わかったようなわからないような?
実はこのコリンエステラーゼを阻害する薬というのは、医療用としても使われることがあります。しかし通常、これらは摂取しても数時間程度で阻害されたコリンエステラーゼは元に戻るので、一時的な処置をするために薬として用いられます。しかし、一度阻害されるとほぼ、元に戻らないというものも存在します。それが、かのオウム真理教による無差別テロに使用された「サリン」です。
つまり、メソミルという農薬はサリンと同じ作用を示す劇物だということが言えます。こう考えると、その毒性の高さも何となくわかりますよね。
それにしても、きちんと身分を証明した者にしか販売されないはずのものが、なぜソーセージに散布されていたのでしょうか?農薬にしか使われないはずのメソミルをソーセージにかけるというのはあまりにも不自然です。
道端にメソミルをかけた食べ物を放置することで、何らかの被害をもたらそうとした食品テロということなのでしょうか?犬が死んでしまったという悲しみ以上に、そちらの方の解明が待たれるところです。