「まことしやかに」という言葉があります。
嘘か本当か定かではないが、というようなイメージで使われ、たいていの場合はその後に「ささやかれている」という言葉が続きます。
「眉唾」と同じような意味のイメージがありますが、「まことしやかに」の本当の意味はそれで正しいのでしょうか?こちらでは「まことしやかに」の由来・語源を探るとともに本当の意味やどのような漢字で書くのか?などをお伝えしていきたいと思います。
まことしやかの意味・由来・語源
「まことしやか」という言葉を聞いてどのように分解するか、ということを考えた時に、たいていの人が「まこと」と「しやか」に分けて考えることでしょう。
それは嘘か真(まこと)かという言葉があるように、「まこと」単独で意味を成す単語として成立しているからです。
そして「しやか」とはいったい何なのか?ということを考えると思いますが、これは「真し(まことし)」+「やか」という風に考えるのが正しいです。
「真し」というのは真実であるとか本当である様を意味する形容詞で、「やか」というのは接尾語になります。
「やか」という接尾語は、それ単体で聞くとイメージがしにくいと思いますがこれが使われている言葉は「爽やか」「華やか」「鮮やか」「しなやか」「まろやか」など多くのものが存在します。
この「やか」という接尾語は、「いかにもその様子である」とか「いかにもそのような感じがする」といった具合に、外観だけを見た印象を意味する言葉です。
上記の言葉のいずれも、外観を見ての印象を表した言葉ですよね。そして多くの場合、その外観と中身は一致するので問題はないのですが、「真し」に「やか」がくっつくと意味が異なります。
「真しやか」というのはつまり、「いかにも真実・本当であるような感じがする」もっとわかりやすく言えば「本物に見える」「本物っぽい」という表現ができます。
外観だけは真実であるかのように見えるものほど胡散臭いものはありません。ということで「まことしやかに」というのはそういった胡散臭さも込めて「いかにも本当っぽく見える」というような意味になるのです。
まことしやかにを漢字で書くと
「まことしやかに」を漢字で表現しようとすると、真しやかに、実しやかに、誠しやかに、など様々な漢字での表現が使われているのがわかります。
この辺りも辞書によってまちまちなようで、どれが正しい漢字なのか?というのを迷う人も多いでしょう。
この中で、「まこと」と読める常用漢字は「誠」なのでこれが最も正しい使い方のように思えますが、「まことしやかに」というキーワードで変換をすると「実しやかに」というものがまず出てきます。
常用漢字というのも日本政府が決めたもの、ということに過ぎないので正しい使い方かどうかについてはあまり参考になりませんので、これはどの漢字の表記でも正しい使い方という風にして良いのではないでしょうか。
さらに派生して「信しやかに」と表現するところもあるみたいですからね。