「こんにちは」という挨拶は知人に会った時に交わす挨拶として最も使用頻度の多いものと言えのではないでしょうか。
相手と会った時間帯や関係性などあまり考えずに、日中であれば気兼ねなく使える最も汎用性のある挨拶だと思います。親戚のおばちゃん、職場の同僚、単なる顔見知りなど多岐にわたって使用することができますね。
ところで気になるのはこの「こんにちは」という言葉の意味です。
日本語の中で「は」を「wa」という風に読ませる場合、通常はその後にまだ文章が続きます。ということは「こんにちは」というのは本当は文章にまだ続きがありそうですね。
ということでこちらでは「こんにちは」の意味や語源などについてお伝えしていきたいと思います。
こんにちはの意味・由来・語源とは
「こんにちは」を漢字で書くならば「今日は」という風になります。
冒頭でも申し上げたように、本来はこの後に続く言葉があって元々は
「今日は御機嫌いかがですか?」
という挨拶から転じて略された形の「今日は」という言葉になったという由来があります。
そして少し見方を変えると、「こんにちは」という挨拶は「やあ、太陽さん」と呼びかけているという風に捉えることもできます。
「今日」は通常「きょう」という風に読みますが、かつては「こんにち」という風に読むのが主流でこれは太陽のことを意味していました。過去には今日様(こんにちさま)として太陽を敬う表現が使われていますね。
この「今日様」が「こんにちは」の起源となったという見方をすることもできます。
出会った人それぞれに「やあ、太陽さん」というのはどこかおかしな話かもしれませんが、「人間は皆、太陽の子であり太陽の身体」という風に考えることもできます。人間は太陽の神である天照大神の子であるという考え方ですね。
なので「やあ、太陽さん。太陽のエネルギーと共に元気に明るく生きていますか?」というわけですね。
こんにちはとこんにちわ
「こんにちは」と「こんにちわ」のどちらが正しいのかわからない人がいるようですが、これは「こんにちは」本来の意味を考えれば「こんにちわ」が誤りであることはすぐにわかります。
昔なら、小学校の時に作文を書いて「こんにちわ」と書いて先生に指摘されるということもあったと思います。
おそらくそれは今でも変わらないとは思いますが、現代の小学生は生まれた時からインターネットを駆使しているという点が異なりますね。
おそらくその過程でSNSやオンラインゲームで「こんにちわ!」という挨拶をする人がいるのを
見て、それが正しいんだと連鎖的にこういった言葉を使ってしまい、それを正す人もいないので
これだけ間違いが広まっているんじゃないでしょうか?
また、タイピングにおける誤変換の予測変換なんかも高機能すぎて間違いに気づかないという可能性も考えられます。
こんにちは と こんにちわ だけでなく「そのとうり」や「そうゆう」なんて言葉もよく見る気がします。
とはいえ、言葉は生き物で時代とともに変化していくもので、言葉の本懐というのは結局は「相手に自分の意図を伝えるための手段」ということに尽きます。
正しく意図が伝わりさえすればいいのでそれが誤用であるかどうかは関係ないのです。
言葉は多数決ですから、むしろ誤用だとしても多くの人がそれを使用しているならそれが正しい言葉になっていきます。
例えば、「T字路」という言葉があります。
これがT字のように三方向に分かれている道のことを指す言葉として使われていますが元々は丁字路(ていじろ)という言葉でした。
ただ、丁(てい)とT(ティー)って見た目も音も非常に似ていますよね。
そのため丁字路を誤用でT字路と呼ぶ人が続出し、ついには道路交通法にも「T字路」という言葉が使われるようになっていったのです。
これこそ正に、言葉が多数決であって誤用がいつの間にか正しい言葉にすり替わっているといういい例ですね。
世相に合わせて変わっていくのは仕方ないことですが、いずれ「こんにちは」に取って代わって
「こんにちわ」が正しい、となる日も来るかもしれません。
そもそもの「こんにちは」自体が元の形から変化したものですからね。
それはそれで構わないですが「こんにちは」を使っていたら逆に「日本語間違ってるよ」なんて
言われるようになったら嫌だなあと思います。