「感謝感激雨あられ」という、なんだかよくわからないけど語感とリズムが良い言葉がありますね。
似たような言葉に「感謝感激雨嵐」というのもありますが、これは人気グループ「嵐」の楽曲であって、上記の「感謝感激雨あられ」をもじって自身のグループ名とかけたものであることは明白で、元は「感謝感激雨あられ」です。
実際にこの言葉を発することはほとんどないと思いますが、どのような意味や由来があってこのような言葉が生まれたのでしょうか?気になったので調べてみることにしました。
感謝感激雨あられの意味・由来・語源について
元は「乱射乱撃雨あられ」という、戦争において銃砲弾が飛び交う様子を表す言葉でした。
この言葉が生まれたのは日露戦争の時です。日本の軍事物資を載せた輸送船がロシア艦隊の砲撃を受けて沈んだ、常陸丸(ひたちまる)事件という悲劇があったのですが、それを題材にした琵琶歌「常陸丸」の歌詞の一部として出てくるのが「乱射乱撃雨あられ」というものでした。
この「常陸丸」は当時大流行し、「乱射乱撃雨あられ」もそれに付随して知られていくことになります。
常陸丸は民間から徴用された船で、乗組員のほとんどが民間人でした。単に軍の命令に従って物資を運んでいたに過ぎなかったのですね。それを軍事戦略の上とはいえ非常にも沈没させられたということで日本国民は憤慨した、という背景があったためこの「常陸丸」が流行する素地となったようです。
さらに日露戦争から時間が経ち日中戦争の時代になると、当時の日本軍は快進撃を続けました。その様子を伝える新聞は見出しにかつて常陸丸の歌詞に使われた「乱射乱撃雨あられ」を持ち出し、日本に歓喜をもたらしたのです。
これが戦後になって使わなくなりそれをもじって「雨やあられが降るほど激しく感謝している」というのを表す「感謝感激雨あられ」へと変化しました。
確かに、「感謝感激」というのに続く言葉として「雨あられ」は急に出てきたような感じですごく違和感がありましたよね。
そして冒頭でもふれたように、人気グループ嵐の楽曲「感謝感激雨嵐」は、この感謝感激雨あられをもじったという、いわば元々もじった言葉をさらにもじって変化した、という経緯がある曲なんですね。
嵐というグループの知名度・人気はすごいですからね。おそらく時代と共に「感謝感激雨あられ」は、「感謝感激雨嵐」を間違って言っているもの、という解釈をする人も多くなってくるのではないでしょうか。
まあ、「感謝感激雨あられ」という言葉自体がすでに死語となっていてほとんど使わないのでそれでも特に問題はないかもしれませんけどね。