よく、海で遭難した人の話で
海水を沸かして蒸留した真水を
飲んだというような話を聞きますよね。
これを聞いて不思議に思いませんか?
なぜ海水をそのまま飲まなかったんだろうと。
よく、海水を飲むと脱水症状になると
言われますよね。
でも、海水には水分も含まれているんだから
海水のままでも飲んだほうがいいのでは?
わざわざ真水にしないとダメなの?
考えてみると、海水を飲むと脱水症状
という公式だけは知っているものの、なぜ
ダメなのか深い理由を知りませんでした。
ということで、海水を飲むとどうなるのか?
気になったので調べてみました。
海水を飲むと脱水症状になる理由
よく、脱水症状にならないような
水分補給の方法として、真水より
汗で失った塩分や糖分が入った
スポーツドリンクの方がいいと
言われます。
それを聞くと海水を飲むことはそれほど
間違っていないように聞こえますね。
間違いなく、真水よりはミネラルなど色々な
ものが含まれているでしょうからね。
実際に、海は生命の源と言われるように
我々の体に含まれるミネラルなどの成分は
海の成分と非常に似ています。
そしてなんと、かつてフランスの医者に
ルネ・カントンという人物がいたのですが
ルネは海水を点滴に使う海水点滴法を
用いてコレラ、チフス、リンパ腫などを
治療したそうです。
ここまですごい海水を飲んだら
だめなのはなぜか?
まず、血液と海水に含まれる成分は
非常に似ているものの決定的な
違いがあります。
それは塩分濃度です。
血液には約1%の塩分が含まれており
海水には約3%の塩分が含まれています。
我々の血液は、腎臓が余分な塩分を
尿として排出する働きをするため常に一定の
塩分濃度と浸透圧が保たれております。
海水を取ると血液中の塩分濃度が
高まり、余分な塩分を排出しようと
するのですが、海水を飲み続けると
一向に塩分濃度のバランスが取れません。
海水によって増えた塩分を排出するために
また水が欲しくなるという無限ループに
なってしまいます。
これがどんどん悪化すると尿そのものが
出なくなって塩分だけでなく、尿酸や
尿素などの老廃物も体に溜まっていきます。
さらに言えば、浸透圧も上がることで
赤血球や白血球の細胞も脱水を起こして
酸素運搬などもできなくなってしまいます。
つまり、海水だと塩分濃度が濃すぎる
ために私達の体には合わないのですね。
ルネ・カントンの海水点滴法というのも
実は、海水を血液の塩分濃度に合わせた
ものだったのです。
もし海水を健康的に飲むとしたら
塩分濃度を血液と同じくらいに
薄める必要があるでしょう。
なぜ海水と血液は似ているのか
海水と血液の成分は非常に似ています。
実際、含まれる成分を海水と血液で
比べてみると
ナトリウム:32.4%、36.3%
塩素:58.2%、40.6%
カリウム:1.2%、1.7%
カルシウム:1.2%、1.1%
マグネシウム:3.9%、0.4%
です。
地球で一番最初に誕生した生物というのは
海で生まれました。
そして我々人間の祖先も海で
生まれたわけで、海からの栄養を
吸収して生きていました。
しかしある時海と決別して陸に上がる
ことを決めました。
そのためには海から常に栄養を補給する
のではなく、体内で自力で作れるような
システムを編み出す必要がありました。
そして自力で作り出せるようになると
さらに海からのミネラルを摂取すれば
過剰摂取になってしまいますね。
かつて海に育まれた名残を持ちながら
親離れをしてきちんと自立をした
のが今の人間の姿といえるかもしれませんね。
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