8月16日は女子大生の日です。
女子大生という響きは世の男性にとっては
たまらない言葉かもしれませんね。
高校生のような子供ではないが
完全な大人にもなりきれていない
初々しさみたいなものを感じます。
「知り合いに女子大生がいる」
なんてのは、知り合いにCAがいるとか
知り合いに弁護士がいるとかとは
また違うベクトルの自慢になります。
日本初の女子大生
なぜこの8月16日が女子大生の日なの
かというと、1913年のこの日、東北帝国大学
(現在の東北大学)にて日本初の女子大生が
誕生した日なのです。
今では18歳の人々の大学への進学率
というのは男女でそれほど差がなくなっていますが
それはごく最近のことで、平成に
入ってからの女性の大学への進学率でさえ
15%にも満たない割合でした。
(男性の進学率は平成元年で34%)
そして男女雇用機会均等法が制定されたのも
1985年のことです。
このような男女の進学、就職の格差から考えれば
今から100年以上前の1913年に女性が大学に
進学するということがどれだけ異例なことだったか
容易に想像ができます。
東北帝国大学は4人の女性の受験を
独自に認めたのですが、これに対して
文部省は
「元来女子を帝国大学に入学せしむることは前例これ無きことにて
頗る重大なる事件にこれあり大いに講究を要し候」
と、大学に事情説明を求める大立ち回りです。
この時代の女性による大学進学がいかに
非常識で混乱を呼ぶものであったのかが
伺い知れますね。
しかし東北帝国大学は意に介せず
黒田チカ、牧田らく、丹下ウメ3人の合格を発表し
晴れて日本初の女子大生が誕生することと
相成りました。
大学の自治というのは日本国憲法では
学問の自由が保証されているものの
大日本帝国憲法では規定されていません。
それなのにこの東北帝国大学の決断というのは
字面で見る以上にすごいものがあると思います。
それほど、女子大生になるには
世間が許さないほどの逆風があった
わけですが、現在ではそんなものどこ吹く風、
むしろ女性の大学進出が当たり前の時代
にすらなっています。
年々女性の大学進学率も上昇しており
いずれ半数以上の女性が四年制大学に
進学し、むしろ大学に進学しないほうが
おかしい、という風潮に逆転していくでしょう。
いや、もうなっているかもしれませんね。
前述の日本初の女子大生となった3人のうち
黒田チカは理学博士に、丹下ウメは農学博士
になるほど、学問を熱望していたのです。
それが、現在では単に
「大学進学したほうが就職しやすいから」
というファッション目的が第一に来ている女性大生が
多いような気がします。
(これは何も女子大生にかぎらず男性学生もそうですが)
そしてその就職ですらその次の「結婚」を見据えて
結婚がしやすいからいいところに就職したいという
打算がすごくありますね。
そして、この女子大生の日というのも
クラブイベントなどで「学生証を見せると女子大生は無料」
などと、浮ついたことに利用されていることが
容易に想像ができます。
そうではなく、なぜ自分は大学に入って
どういうことをしたいのか、改めて見つめなおす
そんな記念日にしたいものですね。