ハンバーガーの歴史や由来とは?ハンバーグとの違いや語源は

ファストフードの代名詞とも言うべき存在となったハンバーガー。

Tasty and appetizing hamburger cheeseburger

日本ではかつて、屋台で出される寿司などもファストフードとして存在しておりましたが、生ものということで管理が難しく、現在では持ち運びも便利なハンバーガーが不動の地位を築いているといえるでしょう。

こちらでは、そんなハンバーガーの歴史や由来などを探っていきたいと思います。

ハンバーグの歴史

ところで、ハンバーガーと似た言葉に「ハンバーグ」というものがありますね。その類似性から推測ができるように、ハンバーガーの歴史や由来を考えるうえでまず「ハンバーグ」というもののルーツを知らなければなりません。

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遡ること13世紀。この時代はユーラシア大陸にモンゴル帝国が大帝国を気づいていた時代です。チンギス・ハンやフビライ・ハンなどの名前は世界史に疎い方でも聞いたことがあると思います。

モンゴル帝国というとまず想像されるのが騎馬民族ということですが、彼らは一人あたり数頭の馬を引いて移動をしており、その中で老いた馬を食料としていました。

この馬肉はとても硬くて筋張っていたために、細かくしてパテ状にして皮に包み、鞍の下におきました。そうすることで馬を走らせる衝撃によりうまい具合にこねられて柔らかくなったのです。そして柔らかくなった肉に玉ねぎ、胡椒などを混ぜて生肉のまま食べていました。

1238年、蒙古によるモスクワ侵攻で、この生肉料理がロシアに持ち込まれるとロシア人は「タルタル・ステーキ」と名付けました。東ヨーロッパ人はモンゴル人のことを「タタール人」と呼んでおり、そこから派生して「タルタル」という言葉が作られました。要は「タタール人のステーキ」というわけですね。

ロシアから今度はドイツ人船乗りたちによってドイツに広められ、17世紀になるとこれがヨーロッパ風にアレンジされて生肉ではなく焼いて食べる料理へと変わっていき、18世紀の大航海時代になるとヨーロッパ全域に広まっていきます。

そして今度は18世紀に、多くのドイツ人がドイツのハンブルク港からアメリカへと移住すると同時にこのタルタルステーキも持ち込まれると、それを見たアメリカ人は「ハンブルク風ステーキ」と呼び、そこから転じてハンバーグステーキと呼ばれるようになります。

まとめると、モンゴル→ロシア→ドイツ→アメリカ、そして日本へ辿るという遊牧民も驚きの大移動を果たしてやってきたのがハンバーグ、ハンバーガーというわけなんですね。

ちなみに、タルタルステーキが東方に伝わったものが韓国料理のユッケです。

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こちらは元祖タルタルステーキと同じように生肉を使っていますね。いうなれば、ユッケとハンバーグは兄弟弟子のような関係だったというわけです。

ハンバーガーの歴史

アメリカへと渡り「ハンバーグ・ステーキ」という名前になったこの料理は、テキサス州のアテンスという小さな町で変革を遂げます。

フレッチャー・デイヴィスという人物がハンバーグを茶色い皮のある分厚いパンにはさんで玉ねぎのスライスを好みで付け加えるというものを考えだします。

これが町で大人気となり、1904年にアメリカのセントルイスで開催された世界博覧会にてスタンドを開き、オールド・ディブズ・ハンバーガー・スタンド(Old Dave’s Hamburger Stand)と言う店を営業し、これがやはり大人気となりました。ハンバーガーの誕生です。

そして1921年には初のハンバーガーチェーン店が誕生するのですが、マクドナルドではなく、ホワイトキャッスルという店です。マクドナルドの第一号店はそれよりもだいぶ遅れて1955年のイリノイ州シカゴ郊外のデスプレーンズというところでした。

そして日本で初めてハンバーガーが作られたのは長崎県佐世保市。戦後の1950年ごろに駐留米軍基地からレシピが伝わったのが由来とされており、基地周辺の飲食店で作られて地元の人に評判となりました。

あのマクドナルドが日本に来るのは1971年のことで、銀座の三越の1階にマクドナルド日本第一号店が誕生しました。この第一号店は椅子席なしのテイクアウト専門店ということで、ハンバーガーを頬張りながら銀座の歩行者天国を闊歩するわけです。それは当時の人たちにとってはとてもスタイリッシュに映り、よい広告塔になったことでしょう。そこから日本におけるハンバーガー人気は爆発するわけです。

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ちなみに、アメリカでは「ハンバーグ」という言葉を用いても通用しません。それはドイツのハンブルクのことを指すからです。アメリカでは、ハンバーグのことは「ハンバーガー」と言うそうです。ややこしいですね。

さらに言えば日本ではテリヤキバーガー、チーズバーガーというメニューがあるように「バーガー」という言葉が独り歩きしていますが、通常アメリカで肉をパンにはさんだものは「sand」という表現をするので、余計訳が分からなくなっています。

ということで、その呼び方や料理の仕方などもオリジナルのものとはかけ離れて、割と雑な仕上がりになっているのが現在のハンバーガーと言えるでしょう。しかし、その雑さがファストフードにはちょうど良いのかもしれません。

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