「腹いせ」という言葉があります。
「振られた腹いせ」「負けた腹いせ」といった具合に、何らかの不利益を被った者がその憂さ晴らしをする、というような意味で使われる言葉です。
まあ普通の人はあまりしないと思いますし、「普通はしない」と思いたいところです。
その意味は何となく理解できるものの腹いせの「いせ」とはいったい、何のことを指すのでしょうか?「腹」に関しては腹を立てるとか立腹というふうに使われる「腹」ということで良いと思うのですが、いせとは一体・・・?
ということで、「腹いせ」の本当の意味や由来・語源について調べてみました。
腹いせの意味・由来・語源とは
どうやら「腹いせ」の語源については由来が二説あるようです。
一つは「腹を居させる」から転じて「腹居せ」というふうになったというものです。
怒った時には「立腹」「腹を立てる」という表現を使いますが、その立てた腹の逆は腹を居させる(座らせる)という風になりますね。
しかし、「腹居させ」がどうして「さ」が抜けて「腹居せ」になったのかということの説明が不十分なことからこれは定かではありません。
何よりも腹いせの意味である「怒りや恨みを他方に向けてまぎらせ、気を晴らすこと」という少し悪趣味な意味が「腹居させ」だけだと言葉として不十分なようにも思えます。単純に立てた腹が元通りになったということですからね。
「居る」という言葉には「動揺した気持ちが収まる、落ち着く」という意味もありますが、やはり他人を巻き込むようなこの言葉の語源とは考えづらく、おそらく一人で勝手に怒りが沈められる人だと思います。
もう一つの説は「腹癒せ」からきているというものです。
「癒せ」というのは言わずもがな、癒すという意味ですが立腹した腹を癒す、慰めるということで「腹いせ」というわけです。
もっとわかりやすく言えば自分の心をスッキリさせるためということですね。こちらのほうが、関係のない他人を巻き込むための身勝手な行動という悪意のニュアンスが読み取れます。