毒を持つ生き物といえば有名なのが
スズメバチ、ヘビ、フグあたりですね。
スズメバチやヘビなどはアウトドア
が好きな人にとっては割りとよく接触が
あるかもしれませんが、ふぐというと
高級料理のイメージがあって普段お目に
かかれない分、あまり馴染みがないですね。
ということでフグの毒について
どんな種類のフグが持っているのか?など
気になったことを調べてみました。
毒を持つフグの種類と可食部位
フグの種類には結構な数があり
有名なとらふぐやハリセンボンなど
様々です。
そして種類によって毒の強さや
食用可能な部位も異なるみたいです。
調べていくと、フグの種類と食用可能な部位の
一覧が載っているHPを発見しました。
※参考 とらふぐネット http://www.torafugunet.jp/torafugu/27.html
これを見るとフグの肉はほぼ無毒か弱毒、
皮は半々位の確率で毒を持ち
肝臓と卵巣には半数以上が毒を持ち
精巣に毒を持つ種類はやや少ない
といった感じですね。
そして驚くことに、毒を持たないフグ
というのも存在しているんですね。
とはいえ、フグを見て瞬時にどのフグか
分かる人なんてそういないと思うんで
やはり注意が必要ですね。
フグの毒の症状や対処法は?
フグの毒の症状としては
食後20分から3時間程度で
くちびるから舌の先、指先に痺れや
麻痺症状が現れます。
嘔吐や頭痛などの初期症状が出る
こともあり、さらに症状は四肢、全身
へと広がり重症の場合には呼吸困難で
死亡することがあります。
日本における食中毒による死亡事故
の過半数を占めている危険な毒
のようですね。
フグの毒には特効薬がなく、また
食してからの毒の経過が非常に
早いため、呼吸困難に陥れば
死亡率がかなり上がってしまいます。
そして解毒方法もないため
フグ毒を摂取してしまったら
毒を口から吐き出させるという
単純で原始的な方法しか
対処の仕様がありません。
なので、当たり前ですが初めから
フグの毒を摂取しないように
気をつけるのが最も良いです。
そもそもフグの毒とは
一般にフグ毒と言われているのは
テトロドトキシンという化合物で
青酸カリの1000倍もの毒性を持ち
1mgでマウスを1万匹も死亡させる
という猛毒です。
青酸カリの1000倍では
コナン君もペロしている
場合じゃないですね。
実はこのフグ毒は、フグ自身が体内で
作り出したものではありません。
ではどこから来るのかというと
フグのえさの餌のエサ・・・
食物連鎖を遡っていくと
フグ毒にたどり着きます。
海の中には海洋細菌というものが大量に
生息しており、その海洋細菌には
テトドロトキシンを作り出す種類がいます。
ビブリオ属やアルテロモナス属の細菌などが
それに当たり、この細菌をヒトデや貝が食べ
それをさらにフグが食べる・・・という順番で
フグに毒が貯めこまれていきます。
そしてフグはストレスを感じた時に
体外へこの毒を放出し、外敵から
身を守ります。
そうすると、そのヒトデや貝を食べた他の
魚にもフグ毒と同じ毒を持つ種類が
いるようにも思えますが、まだ解明されて
おりません。
もしかしたらフグだけが特別な種類で、
テトドロトキシンを体内に貯めこむことが
出来る唯一の種類なのかもしれませんが
詳しいメカニズムは不明です。
養殖フグは無毒?
毒が海底の微生物由来のものだと
すれば、卵からかえったフグを海ではなく
人工の環境で養殖し、毒を含んだエサを
与えなければ無毒のフグが作れますね。
理論上は無毒のフグを作ることは
可能ですが、例え養殖をするにしても
海に網の囲いをしたり湾内を仕切って
養殖していたりと、天然ふぐの環境に
近いところで養殖しているところもあります。
この時に網の間から侵入してきた
テトロドトキシン含有の貝などを
養殖フグが捕食しないという保証は
ないので何ともいえませんね。
「養殖だから無毒フグで安心!」
と鵜呑みにしてしまうとかえって
危険かもしれませんね。
例えばオートロックのマンションだから
防犯は大丈夫!と謳っていたのに
それを逆手に取られて空き巣に入られた
とかもありますよね。
やはりフグはちゃんとした人が
さばいてくれたものを食すのが
最も安全といえるでしょう。