土用の丑の日とは。なぜうなぎを食べる?その由来とは

毎年7月末には土用の丑の日がやってきます。

2016年は7月30日が土用の丑の日ですね。

そして土用の丑の日といったら「うなぎ」を食べる
わけですが・・・そもそもなぜうなぎを
食べるようになったのでしょう?

うなぎ

「土用の丑の日だからうなぎを食べる」

では理由になっていませんね。

ということでなぜ土用の丑の日にうなぎを
食べるようになったのか?
その由来について調査してまいりました。

土用の丑の日とは

そもそも「土用の丑の日」の
土用丑の日というのは
どういう意味があるのでしょうか?

土用というのは季節の移り変わりを示す
雑節という暦日の一つで
節分、彼岸なども雑説の一つです。

そして土用というのはそれぞれ
二十四節気のうちの1つである
立春・立夏・立秋・立冬の直前の
約18日間のことを指します。

丑の日は干支が丑に当たる日のことです。
(子(ね) 丑(うし) 寅(とら) 卯(う)
辰(たつ) 巳(み) 午(うま) 未(ひつじ)
申(さる) 酉(とり) 戌(いぬ) 亥(い))

かつて日本では、日や時間に干支を当てはめていました。
丑の刻とかいいますね。

土用の約18日間と丑の日が重なった日が
土用の丑の日ということになるのです。
つまり土用の丑の日は年に4回ほど
来るというわけです。

さらに言えば、同じ土用の期間でも
丑の日が2回来ることもあり
その場合最、初の土用の丑の日を一の丑
2回目の丑の日を二の丑
といいます。

大体半分くらいの割合で
二の丑が来たり来なかったりしますね。

現在は土用の丑の日というと通常、
立秋前の夏の土用の丑の日のことを指しますね。

ちなみに2016年の土用の丑の日(一の丑)は
7月30日で、二の丑はありません。

なぜ土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのか?

夏バテにビタミン豊富なうなぎが良い、というのは
奈良時代にはすでにありました。

万葉集には、大伴家持が
吉田石麻呂の夏痩せを見て歌った

『石麻呂にわれもの申す夏痩せに
良しというものぞ鰻捕り食せ(むなぎとりめせ)』

というものがあります。

これはざっくり言うと

「石麻呂さん、夏痩せにはうなぎが良いですよ」

という意味です。

しかし、そもそもうなぎの旬は
夏ではなく、です。
(どうも土用の丑の日のせいで
夏がうなぎの旬だというふうに
勘違いしている人も多いみたいです。)

そのせいで、どうしても夏のうなぎは
味が落ちてしまって売れ行きが
良くありませんでした。

そして江戸時代、夏にうなぎが
売れないと嘆いていた
うなぎ屋が、懇意にしていた
蘭学者の平賀源内に相談しました。

平賀源内は、元々あった
「丑の日に『う』のつくものを食べると夏バテに良い」
という民間伝承と合わせて、

「本日土用の丑の日」

と店先で宣伝することを薦めました。

これが大ヒットでそのうなぎ屋は大繁盛します。

そしてそれにつられるように
他のうなぎ店にも「土用の丑の日」という
キャッチコピーは広まり定着していきました。

土用の丑の日

このことから平賀源内は日本初のコピーライターとも言われているようですね。

商業目的のために、売れ行きの良くない時期に
無理やり売り込むというのはジューンブライドに
通ずるものがありますね。

ジューンブライドについての由来はこちら

うなぎを供養する日?

しかし面白いことに、うなぎの老舗のお店なんかは
土用の丑の日には逆に休業とするところもいくつか有ります。

この日が一番書き入れ時だと思うんですが、

「うなぎを供養する日」

として逆に休んでるみたいです。

これは捉え方の違いからくるものだと思いますね。

スーパーなんかはうなぎをバンバン売り出したいから
「土用の丑の日」を全面的に打ち出して
うなぎをたくさん売ろうと考えるでしょう。

逆にうなぎの老舗店からすれば、普段うなぎで
商売させてもらっているのでこういった供養の日というのが
あって然るべきだと思います。

それに、老舗店が
「うちは土用の丑の日はうなぎを供養するから休むよ」
と言ってると、何かすごく周りと一味違う
高級店ぽくないですか?

そういうブランドイメージを作り上げる
というのも戦略の1つだと思うんで
大衆向けのスーパーと高級老舗店の
それぞれの思惑があるんだろうと
個人的に思っています。

商業目的で踊らされている
一般大衆を考えると滑稽ですが
うなぎが夏バテに良いのは事実なんで
食べてもいいと思います。

ただ、うなぎは冬が旬なので
是非冬にこそ本気のうなぎ
召し上がってみてください。

以上、うなぎと土用の丑の日についての調査でした。

シェアする

おすすめ関連記事

おすすめ関連記事