万歳の意味・由来・語源とは?国会で衆議院解散の時に万歳する意味は?

万歳という言葉がありますね。

万歳

主に喜びを表す言葉として使われているわけですが、そもそもこの万歳という言葉にはどのような意味が込められているのでしょうか?

普段、私たちが生活している上で万歳というのはそこまで見る機会は多くないかもしれません。一番有名なのは、国会における衆議院の解散の際に行われる万歳三唱ですね。解散総選挙になったら、現職ではなくなるかもしれないのに「万歳!」とはこれいかに?という感じですよね。

そんなわけで万歳!にはどんな意味が込められているのか?その由来・語源・歴史などを調べてみました。

万歳の起源・歴史

万歳の起源は比較的新しく、明治時代にさかのぼります。

大日本帝国憲法が発布される明治2年(1889年)のことです。憲法発布1ヵ月前に天皇の馬車に向かって沿道に整列した生徒が「君が代」を唄うという光景が生まれました。

しかし大人はというと、当時まだ「君が代」は小学校で教え始めたばかりで歌を知らないため単なる野次馬をするだけでした。

そこで、練習をしなくても誰でもできるアクションということで「万歳」が選ばれたのです。

最も、「万歳」という言葉自体は、古い中国から伝わってきた「千秋万歳(せんしゅうばんぜい・せんしゅうばんざい)」という文言を元に日本に存在していました。こちらの意味としては、主に長寿を祝う文言で、千年万年、という意味になりますが、天皇の慶事に唱える言葉として使われていました。

この万歳という言葉と、欧米の「スリー・チアーズ」を合わさってできたのが万歳三唱だったのです。

実際、「彼の英国に於て、ホウレー、ホウレー、ホウレーと称して、陛下の万歳を祝するがごとく、何とか発声して奉祝の意を表」と書かれた当時の新聞があるようです。明治時代というのは欧米に追い付け追い越せ、という時ですからこれはどうやら確かそうです。

ただ、当時もすぐに「万歳」に決まったというわけではありません。万歳ではなく「奉賀(ほうが)」という言葉を発することを考えられたり、そもそも「天皇陛下の御前で大声を出すこと」自体がけしからん!というような意見もありました。

ともあれ、紆余曲折あって憲法発布当日の1889年2月11日、青山観兵場へ臨幸する明治天皇を宮城正面で帝国大学の教職員や学生、高等師範学校らの幹事が迎え、後の東京帝国大学総長である外山正一教授の音頭で「天皇陛下万歳!」と声をあげて両手を掲げるという慣習が生まれました。

この時「万歳、万歳、万々歳!」と3回連呼したのが万歳三唱ですね。「三唱」の提案者は帝国大学の和田垣謙三博士といわれております。この点を鑑みても、欧米のスリー・チアーズを由来とする説がさらに強固なものになるといえますね。

なぜ両手を挙げるという行為になったのかという経緯はいまいち不明ですが
「誰でもできる」
「練習しなくてもできる」
「それでいて目立つ」
という好条件は重なっているように思えますので、ごく自然なことだったのかもしれません。

なぜ国会の解散で万歳をするのか?

普段生きている中で、衆議院が解散するというのは数年に一度、あるかないかの出来事なのでそこまで目にすることは多くないでしょうが、なぜか万歳三唱をしますよね。

国会 万歳

実はこの慣習についての由来はよくわかっておりません。それは、衆議院事務局の公式な見解ですら「慣例だから」と答えるに留まっていることからもわかります。

由来がはっきりしないだけに、様々な説が憶測されております。

一番最初に国会において万歳三唱をしたのは1897年の衆議院解散でした。この時代というのは天皇が名実ともに政府の最高権力者であった時です。そんな天皇から御名御璽の入った詔書を頂くので天皇に敬意を表してこの万歳を始めたという説が有力です。日本は何かと「天皇陛下万歳!」と天皇を称えましたからね。

そもそも、前述のように、大日本帝国憲法が発布したのが1889年とごく近い年です。この時に明治天皇を称えるために万歳三唱をしたというのは書いたとおりですから、それを国会の行事にも取り入れたとするとすごく自然でしょう。

宗教というのは、信心深くない人からしたら、信仰という実利が伴わない行為に理解ができぬものです。こういう天皇陛下への敬意を表して始めて、いつの間にか広まっていったとするなら現在になって由来がはっきりしないというのも理解ができます。

そのほかにも、これをやることで国会に戻れるというジンクスがあるとか、これまでの労をねぎらうためにやっているという説もありますね。おそらく、起源は上記のもので正しいとしても、こういう意味合いでしている国会議員も存在するでしょう。

しかし、もしそうであるならば改めるべきです。いずれも国会議員達の個人的な事情が動機になっていますよね。自分たちが立場を維持したいからやっているんだとすると、国民からしたらものすごく無駄な時間に思えます。

シェアする

おすすめ関連記事

おすすめ関連記事