トンボは8月上旬ごろから
よく見られるようになる昆虫です。
昆虫にあまり興味がなく、赤とんぼくらいしか
知らない人にとってはトンボは秋の昆虫
ですが、外でよく遊ぶ子供時代を過ごしていた
人たちにとっては8月の夏休み中盤に差し掛かった
頃に見られる、夏休みの「終わりの初まり」を告げる
ちょっと悲しい昆虫でもあるのです。
そんなトンボの中でも特に有名な
「赤とんぼ」。
♪夕焼け小焼け~の赤とんぼ
という童謡でも有名ですが
この赤とんぼにはどんな種類の
ものがいるのかを調べてみる
ことにしました。
赤とんぼの種類
実は赤とんぼという呼称はいわゆる
俗称で、そういった種類があるわけでは
ありません。
分類上では『トンボ科アカネ属』に属するトンボ
のことをまとめてアカトンボと呼んでいます。
赤とんぼとアカトンボ、実は若干違います。
赤とんぼなら我々の普通の感覚で言う
「赤いとんぼ」のことを指しますが
アカトンボなら学術上の分類です。
トンボ科アカネ属の種類のトンボは
日本では21種類確認されております。
(アキアカネ、タイリクアキアカネ、タイリクアカネ、ナツアカネ、スナアカネ、
エゾアカネ、マユタテアカネ、マイコアカネ、ヒメアカネ、オナガアカネ、
ミヤマアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、リスアカネ、ヒメリスアカネ、
ムツアカネ、ナニワトンボ、マダラナニワトンボ、キトンボ、オオキトンボ、ネキトンボ
の21種類)
赤くないアカトンボ
実はこの中にはアカトンボという種類でありながら
「体が赤くない」ものも存在しています。
ナニワトンボ
ぱっと見ただけではこれはアカトンボ
とは思いません。
何しろ赤いどころか、成熟した雄は
青い体をしています。
日本のみに生息する種類で
本州、四国に分布し、西日本のみで
見られ関東以北には存在しません。
季節は夏~秋にかけて
木立に囲まれた溜池に見られます。
マダラナニワトンボ
こちらは黒い体をしているアカトンボです。
これも日本のみに生息している種類で
夏~秋にかけて松林に囲まれたため池や
湿原などで見られます。
ムツアカネ
こちらも黒い体をしているアカトンボです。
寒冷地にいるという珍しい種類で
夏~秋にかけて北海道や本州(中部以北)
の湿原で見られます。
赤いけどアカトンボではない種類
逆に、体が赤いのにアカトンボには
属さない種類もおります。
アカトンボが分類上の呼称なので
こういうことは起きてきますね。
これは、まさに俗称の方の「赤とんぼ」
の種類ですね。
ショウジョウトンボ
なんだか唐辛子のように全身が
鮮やかな赤色をしていますが
アカネ属、アカトンボではありません。
とはいえ、これほど鮮やかな
赤とんぼはこの種類以上のものは
いないでしょう。
北海道~九州とかなり広い地域の
溜池などに生息しております。
以上、赤とんぼの赤くない種類や
赤いのにアカトンボじゃない種類の
調査になります。