あっかんべー!とは、よく言ったものですが、これを言葉で表すならば相手に向かって指で下まぶたを引き下げ、舌を出して侮蔑の意をあらわす身体表現、という風になります。
このあっかんべーというものは管理人が小学校の時も目の前でお目にかかったという記憶があまりなく、漫画やアニメなどのフィクションでの静止画としての印象が強いです。実際、このあっかんべーの仕草というのは日本のアニメでよく見られるようで、海外で日本のアニメを見ている人にとってはこの仕草の意味がよく分からない、という人が多いようです。日本特有の仕草なんですね。
実際にやることはほとんどないのに、我々日本人の中で知らない人はいないであろう「あっかんべー」ですが、これってそもそもどういう意味や由来・語源があるのでしょうか?やはり「べー」というのはベロのことでしょうか?気になったので調べてみることにしました。
あっかんべーの意味・語源・由来とは
実はあっかんべーというのは、元々は「赤目」という言葉です。
これは、商人に対して「お宅の商品はくだらない、目にも止まらない、こんなに目を大きくしても欲しくない」という侮辱の意味を込めた仕草だったそうです。逆に「目がない」という言葉もありますね。
いつごろから使われている言葉なのかは不明ですが、蒟蒻問答(こんにゃくもんどう)という江戸時代の落語ではオチにあっかんべーが使われているようです。
なるほど、指で瞼を下げて、目の赤くなっている部分を見せるのはこんなところから来ているのですね。b子音とm子音は混同しやすいことから、次第に「あかめ」から「あかんべ」、さらに「あっかんべー」とか「あかんべえ」に変わっていったのです。
青森県の一部なんかでは、あっかんべーではなく「あがめ」と言うところもあるようで、これはまさに「赤目」が本来の語源であることを示しています。つまり、私たちが「あっかんべー」と聞いて想像する「舌を出す」行為は、この言葉には含まれていません。
しかし、舌を意味する幼児語の「べー」と勘違いされ、いつしかあっかんべーは舌を出すことを伴うようになり、さらには「赤目を見せること」がメインだったはずですがいつしかこれが舌を出すことのほうがメインになり、赤目を見せるほうの仕草は申し訳程度に指を置くようになっています。
舌を出しながら「あかめ~」って言うと「あっかんべ~」に聞こえますよね。そんなことも理由だったのでしょうか。
なぜこのような変化を辿ったのかというと、おそらく赤目を見せることよりも舌を出すほうが可愛らしい仕草に見えたからではないでしょうか。
特に、アニメなどで女性や子供がよく使う、いわゆる一種の「萌え」として使用されることが多いのが「あっかんべー」ですが、あっかんべーを忠実にやろうとすると、赤目が見えるまで眼球をさらけ出すことになり、ちょっと不気味ですよね。
このイラストの通りにやるのが正しいあっかんべーのやり方です。実に生意気そうですね。しかし本気であっかんべーをすると女の子の可愛らしさが失われてしまいます。アニメであればなおさらそうです。なので、指を申し訳程度に置き、顔をキープするあっかんべーが主流になったのです。
また、あかんべーで有名なアインシュタインの影響もあるでしょうね。
アインシュタインというとこのあかんべーのような仕草をした、おどけた写真を思い浮かべる人が多いでしょうが、実はアインシュタインは写真嫌いで有名で人前ではめったに笑顔を見せない人だったのです。
しかし「笑ってください」という記者の執拗なリクエストに対して仕方なくおどけた顔を見せたのがあのあかんべー写真だったのです。
元々この「あかんべー」自体はその由来も含めると日本独自のものですが、同じような仕草は海外にもあります。日本では侮辱の意味が込められた仕草ですがチベットなんかでは尊敬の念を込めてこの仕草をするのだとか。
べっかんこうの由来は
「あかんべー」と同じしぐさを「めかこう」とも言いますが、これが転じたものが「べっかんこう」というものです。
こちらは「目赤う(めあこう)」から「めかこう」へと変化し、「べっかんこう」へと変わっていきました。夏目漱石の小説「坊ちゃん」において「人差し指でべっかんこうをしてみせた」という記述がありますね。