「小春日和」という言葉があります。

 

この言葉をそのまま、字面だけで受け取るなら「春先の穏やかで暖かな天気」ということになり、事実そのように覚えている人は多いと思います。

 

しかし小春日和はこの意味ではありません。とはいえ、文化庁の世論調査によるとこのような意味で覚えている人は40%を超え、さすがに本来の意味で覚えている人は50%を超えるものの肉薄する結果になっております。

 

たとえ誤用であったとしても、そう覚えている人が大多数ならそれが正しいものとして認知されていくのが言葉というものですが、正しい意味と間違った意味で覚えている人が半々くらいというのは厄介で、どちらにも転ばない膠着状態が続くことになります。

 

間違った意味で覚えているにもかかわらず「あの人の小春日和の使い方おかしくない?」と無意味な対立を生むことになってしまいますからね。

 

この現状を脱するためには、地道ながらも私たち一人一人が正しい意味を把握していって、それを多数にしていくしかありません。ということで、小春日和とは本当はどういう意味なのか?についてお伝えしていきたいと思います。

 

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小春日和の本当の意味は?

小春日和の本当の意味というのは、「晩秋から初冬にかけての暖かく穏やかな気候」です。

 

つまり、季節が秋から冬に移り変わるまでのまだ暖かい期間のことを指す季語なのです。

 

「小さい春」という読んで字のごとし、暖かい気候が続くまとまった期間を「ちょっとした春だね~」というニュアンスで使っているということですね。

 

こうしてよく考えてみると、「春の訪れが聞こえてくる2月~3月のぽかぽか暖かい日」という間違った意味は違和感がありますよね。それは「ちょっとした春」ではなく、そのまま「春の訪れが聞こえてくる日」でいいわけです。2月からの気候は春に向けて暖かくなっていくはずで、地続きになっていますからね。

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晩秋と初冬という明確な区切りにあるからこそちょっとした春、小春日和という言葉に意味が出るというものです。

 

「小春」が具体的にいつ頃なのかというと、陰暦で10月(現在の11月頃)のことを指します。別名「小六月」とも言いますからね。

 

陰暦においては二十四節気という、一年を24個に区分けしたものがあります。そこにおいては立冬、つまり冬の始まりは11月7日頃からになるのですが、ここから考えれば「小春日和は」少し前の10月下旬~11月前半くらいということになりますね。

 

しかし、春の始まりである「立春」が2月であることからもわかるように、陰暦というのは現代の私たちにとって違和感があるものなのでこういった杓子定規な考えで当てはめるよりは、もっとざっくりと、体感で言ってしまっていいと思います。

 

普通の感覚なら晩秋~初冬というのは11月中旬~12月末くらいですね。

 

3月に生まれた子供の名前に「小春」って・・・

「小春」という語感の柔らかさ、可愛らしさから女の子の名前に付ける親御さんも結構いらっしゃいますよね。

 

「春」という言葉がついているせいで、3月とか4月に生まれる子に「小春」とつける方もおりますが、これは小春の本当の意味からすれば間違っているということになってしまいます。

 

とはいえ、「小春ちゃん」が自己紹介をする時というのは自分と同世代の人たちの前、というのがほとんどでしょうから、「小春っていうのは秋~冬の季語であって・・・」なんて、嫌みなことを言ってくる人はあまりいないとは思いますけどね。

 

「小春」自体は秋~冬の季語ではありますが、「寒い冬に訪れる暖かい小春日和のように、冷たい空気に暖かさをもたらしてくれる子に育ってほしい」という願いを込めて「小春」と名付けるのもありではないでしょうか。

 

「小春」という名前がつく芸能人には元モーニング娘。の久住小春さんがいますが、彼女は生年月日が1992年7月15日と、春も冬も全く関係ない夏に生まれています。もしかしたら上記のような願いを親御さんが込められていたのかもしれませんね。