日本語には訳しづらいために、そのままカタカナ語として使われている外来語というのが日本語の中には存在しますね。

 

その一つが「アイデンティティ」ではないでしょうか。

 

こういうカタカナ語で困るのは、「最後を伸ばすのかどうかに悩む」というのがあります。事実、「アイデンティティ」なのか「アイデンティティー」なのか、どちらにすべきかこれを書いている本人も悩みました。日本語のであればこのような悩みはなかったんでしょうけどね。

 

 

この「アイデンティティ」という言葉はすでに一般社会に広くなじんでおり、それゆえに今更どういう意味なのかというのを周りに聞きづらいというのがあると思います。

 

そこで、こちらでは「アイデンティティ」の意味についてわかりやすく説明をしていきたいと思います。

 

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アイデンティティの意味

まず、アイデンティティの意味について辞書的な説明をするならば

 

物や人が変化や差異に対して連続性、統一性、普遍性、独自性を保ち続けること。自己同一性

 

という風になります。一度アイデンティティの意味について理解を深めると、この説明だけでもわかる気はしますが、わからない人にとっては何のことかさっぱりわからないでしょうね。

 

 

これは、元々が心理学の用語なのでまどろっこしい説明になってしまっているのです。

 

アイデンティティは英語で言うとidentityで、identifyという動詞を名詞にしたものです。

 

そのidentifyがどういう意味なのかというと「本物・本人であることを識別する」だとか「同定する」という意味になります。この名詞形ということで、「本物・本人であることを識別できること」という風になりますね。

 

それはつまり、「これまでに生きてきた中で培った、自分の中の譲れない部分」という風になるでしょう。

 

 

人間は生まれた瞬間は真っ白ですが、その後生きていく中で性格が形成されたり、価値観が形成されていきますね。そしてそれは、少しのことでは変化したり消えたりしない自らの「核」として根付いていきます。

 

わかりやすく例を挙げるなら「恋愛対象となる性別」なんてのはいかがでしょう。

 

自らの恋愛対象が男性であれ女性であれ、それは周りに何を言われようと、何をされようとも変化はないはずです。男性が恋愛対象の人間に対して「女を好きになれ!」といくら言ったところで変わらないし、変えようもありません。

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あるいは生きてきた中で築き上げた価値観というのもそうでしょう。例えば私ならば「人に偉そうにしたくない」という価値観があります。それは過去に、人に偉そうに物を言う人間に出会ったことでそのような人に嫌悪感を抱き、自らはそうあらないようにしようという価値観が形成されたためです。そしてこれは人に何を言われようとも今後変わらないし、たとえ日本人の一億総国民が「偉そうに言う人は素晴らしい人だ」という論調になっても自らの価値観は曲げないでしょう。

 

これがすなわち「物や人が変化や差異に対して連続性、統一性、普遍性、独自性を保ち続けること。自己同一性」、アイデンティティというわけです。抽象的な言い方をするなら「自分らしさ」ですね。

 

ただ心理学用語として「自分らしさ」では俗っぽく聞こえてしまい、専門用語っぽく表現すると「自己同一性」というよくわからない言葉になってしまうのでそのまま「アイデンティティ」という風になったのでしょう。

 

 

もっと広いとらえ方をするなら、異性の好みや価値観など内面的な、精神的なところだけでなく、出身地がどこで、どこの大学を出て、何の資格をもっていて、名前は何か、年齢はいくつか、住所はどこか、などの表面的な装飾もアイデンティティと言えるでしょう。

 

 

名前や年齢なども人に何か言われたからと言って変わるものではないし、だからこそ自分が自分であることを識別する記号となり得るのです。

 

ご自身の名前、性別、出身地、住所、恋愛対象の性別、嫌いな人の特徴、出身大学、取得している資格などを列挙していけば、世界に一人しかいないオンリーワンがそこに存在しているでしょう。

 

 

アイデンティティクライシスとは

 

クライシスというのは崩壊という意味になりますので、直訳すれば自己同一性の崩壊という風になります。

 

アイデンティティ、自己同一性を示すものは前述のようにいくつかありますが、これが起こるのはもっぱら「価値観」においてのことです。

 

それまでに築き上げた自らの価値観では通用しなくなってしまったときに、どうしたらいいのかわからなってしまうことがアイデンティティクライシスです。

 

そういった困難に直面することで、それまでの価値観を一新しなければならなくなります。

 

アイデンティティというのが「周りに言われても変化しないもの」なので、変えることができるというのは矛盾しているような気もしますが・・・

 

そこで開き直って「やっぱりこのままでいいか」という風に突き通せるならば本当のアイデンティティで、変えることができるならばアイデンティティではない、ということなのでしょう。